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自然素材について
2008/4/7
3.現行壁材(ビニルクロス)の変遷と特性の理解(現行壁材はどの様に進化してきたか、またその理由は何か?)
現行壁材(ビニルクロス)がどんな経緯で今のようになったのかをまず理解する必要があると思います。
昔は、壁材は荒壁(土壁)で仕上げとして漆喰、ベンガラなどを塗っています。無垢(むく)の板も張ります。後にプラスターを塗ったりジュラク壁にしたり、繊維壁(塗り壁の一種で
毛糸屑のような繊維が入った左官材)が出てきます。合板の普及とともに突き板(無垢板を薄く剥いで合板に接着した板材)を張るようになります。合板に布クロスを貼るよう
になります。この時期は布クロスは高級品です。客用の洋間ぐらいしか貼りません。織り柄で様々な柄を出したものもあります。その変遷の経緯と理由はこうです。
壁(クロス)を例に挙げてみます。
@客間に使う洋間に布クロスを貼りましたが、3年ぐらい住んだ頃に壁に丸いシミが目立つようになります。つなぎ合わせたところ(ジョイント)にも黒ずんだシミのようなものが
出ています。そのうちにジョイント部分の布がほつれるようになり、糸くずが垂れて目立ちます。下地のある部分とそうでない部分が黒ずみ方の度合いの違いではっきりと
わかるようになります。(ゴーストといいます)この場合は下地が薄い合板です。そのうちぽつぽつと黒いカビが目立つようになります。水で絞った新しいタオルで拭いてみると
水気が乾いたあとは、その部分が丸い輪のようなシミとなって残ってしまいます。
このシミはタバコのヤニや、埃などが時間とともにクロスにつき、濡れたタオルによる掃除、花瓶の水の飛散、コップの水の飛散などにより一時的に溶けて、周辺部分にだけ
濃く残ってしまう結果の汚れです。例えば障子の紙に水をつけてしまうと、それがきれいなコップの水であっても濡れた形に茶色のしみが残るのと同じ原理です。こうなると貼り替えるしか方法は無いと思います。
施主の声:高価なクロスなのに「汚れやすくてはたまらない!何とかならないの」
A石膏ボードの普及で、薄い合板下地ではなく、石膏ボード下地の壁となります。これで汚れによるゴーストはなくなります。しかし材質が布であってはシミやカビは防げません。
ジョイントのほつれも同じことです。
施主の声 :「シミがつかないクロス、ほつれないクロスは出来ないの。」
B車のシートに使う人工のレザー(昔はビニールレザーが主流でした)とともにビニール樹脂の発達によりビニールクロスが出てきます。当初はエンボス加工が無く、平らで
味気ないものが多かったのですが、エンボス加工が出てきて、写真技術の導入とともに今では左官のジュラク壁や、板目の模様のビニルクロスがあり、少し離れてみると
本物と区別がなかなかつかないものもあります。当然、水に強く、汚れにも強くなってきます。万が一汚れがついても、きれいなタオルで水拭きをすれば、きれいに取れてしまいます。
中には、マジックインキで書いても取れてしまうものもあります。もちろん火に強く、燃えないものも出てきました。これで、汚れやすい台所や食堂、居間にも使えるようになり、
汚さぬよう、注意をして住まなくても良くなりました。当然、たくさんの需要があれば、価格も安くなってきて、今では仕上げ材としては一番リーズナブルな材料の一つになっています。
色や柄もたくさんありますから、様々なお好みにも十分答えられます。
施主の声:「何とか満足いくようになったよ」
簡単に壁(ビニルクロス)に関しての変遷とその理由を書きましたが、まとめると
1.汚れを防ぐ工夫
2.ほつれを防ぐ工夫
3.汚れてもメンテナンス(清掃)できる工夫
4.コストを下げる工夫
5.たくさんの色、柄、を用意し様々な好みの要求に答える工夫
となるわけです。
現行の壁(ビニルクロス)は、当初は高級仕上げ材で、汚れやすく、掃除不可能でしたが、先人の知恵と工夫と改良を重ねて試行錯誤の結果、今に至っていることをぜひ理解して欲しいのです。
1.現行建材の特性理解と変遷(現行建材はなぜこのようになってきたのか)
2.床材(無垢フローリングの特性とよくある現場の話)
3.壁材について:現行のビニルクロスの特性理解と変遷(現行壁材はなぜこのようになってきたのか)
4.壁材(ビニルクロス、和紙クロス、布クロス、珪藻土、他自然素材)