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自然素材について
2008/4/4オープン
2.床材(無垢フローリングの特性とよくある現場の話)
無垢板(むくいた)フローリングを希望される方で、なおかつ、無塗装フローリングを希望される方がいますがその理由として
A.素足で歩いても冬暖かいメリット
B.湿気に対して調湿効果があるメリット
C.接着剤などの樹脂を使用していないメリット
D.味わいがあり、高級感がある
が多いようです。
無垢板フローリングを採用するということは、合板フローリングの改良を重ねた結果としての5つのメリットを捨ててしまうことになり、昔ながらに毎日、水拭き雑巾かけを覚悟するか、または汚れを甘んじて受忍するしかありません。メンテナンス(清掃)の負担が大きくなる事を十分に覚悟しなければなりません。
意外なことですが、説明をしても理解はしていただけますが、それが現実にどういうことであるか十分に実感できない方が多いのです。
ある方から相談がありました。
住宅地の中にある住宅のショールームを一緒に見学して、意見を聞きたいとのことでした。
そのショールームは床が杉の無垢フローリングでかつ、無塗装でした。驚いたことに台所の床までです。
確かに無塗装ですと素足で歩いても表面が多孔質ですから熱容量が小さく、足から奪われる熱量が小さいので暖かでした。
レポートとして書いたのは,
「寝室、居間は無塗装でも大丈夫ですが、台所、食堂は食べ物をこぼしたり、油がついたりですぐに汚れてしまうでしょう。
醤油のシミはカンナをかけなければおそらく取れないでしょう。
2〜3年で人が歩く場所は汚れて黒ずんでしまうと思います。
また、杉材は壁材としてはよく使用しますが、床材として使用するには、比較的柔らかい材料なので、かなり傷がつきやすいと思います。
全体的に、汚れと傷は覚悟する必要があります。」
その方はその家を購入しましたが、3年ぐらい経った時に連絡があり、ウレタン塗装で床を塗ったという事でした。
予想以上に汚れが酷く、その方にとっては耐えられなかったようです。
塗ってしまうと樹脂で多孔質の表面を塞ぎ、熱容量も大きくなるため、素足で感じた暖かさは消滅してしまいます。
また、片面塗装ということになり、無塗装側だけが湿気に左右され伸縮するので、反りが発生します。
決して無垢板フローリングが駄目だとか、無塗装が駄目だとか言っているわけではありませんので誤解されませんように。
合板フローリングに比較して価格の面で高くなることは、その分予算を上げれば良いわけでさほど問題ではありません。
作業効率はどちらも工場製品ですから同じとなります。
問題は、無塗装であれば汚れやすい事と、また反り、割れ、収縮があることです。
無垢塗装フローリングの場合は後者だけのデメリットになります。
これは生活していく中でのメンテナンス(清掃)が非常に大変になると言うことです。きれいな状態で保ちたいということであれば大きな負担になると思います。
汚れてもかまわないよ、という方は、また別ですが、そういう方は少ないと思います。
現場の方から聞く話ですが、無垢板フローリングを希望された施主から、引渡し後フローリングに対する苦情として
a.収縮して目地巾がバラバラになった
b.反りが発生して、歩いた感触が悪い
c.夏場に虫が発生した(防虫処理はしていますが、無垢材のなかに生きた虫の卵が入っている場合)
が多いようです。事前に説明はしているようですが、残念ながら、無垢材の特性、特にリスク側を十分に理解することなく、選定してしまった結果です。
これは施主にとっても、設計者、施工者にとっても不幸な結末になってしまいます。
不幸な結末の原因として考えられるのは、合板フローリングの特性(汚れない、反らない、割れない、縮まない)を備えた上で、上級材として無垢板フローリングが存在するという思考が
あるようです。
決してそうではありません。合板フローリングには合板フローリングなりのメリットとしての特性があります。
無垢板フローリングには合板フローリングとはまた違う味わいがあり、良さもありますが、デメリットがあることを忘れないでください。
他にも無垢のドア、無垢のカウンター材など無垢のデメリットの特性が隠れていることを十分に理解したうえで、選定することが大事です。
同時に、無垢板フローリングの家に住むということは、掃除や使い方にそれなりの覚悟も必要だと言うことです。
よく言われることですが、「日本人はメンテナンスはあまりしないが、非常に細かなキズなどの欠陥を気にする、反面、欧米ではメンテナンスを頻繁にするが、細かな所は気にしない」
御自分の家を、おおらかに、ラフに使える方は大丈夫ですが、細やかな方は避けたほうが賢明かも知れません。
十分理解したうえでの、無垢板フローリングや無垢板無塗装フローリングの採用は施主にとっても素晴らしいことだと思います。
まとめ
無塗装無垢フローリングの特性
メリット
素足で歩いても冬暖かい
湿気に対して調湿効果がある
接着剤などの樹脂を使用していない
味わいがあり、高級感がある
デメリット
汚れやすい事
反り、割れ、収縮がある
材種にもよるが傷がつきやすい
塗装無垢フローリングの特性
メリット
味わいがあり、高級感がある
デメリット
反り、割れ、収縮がある
細かな所を気にしないおおらかな暮らしが出来る性格の方に向いていると思われます。
1.現行建材の特性理解と変遷(現行建材はなぜこのようになってきたのか)
2.床材(無垢フローリングの特性とよくある現場の話)
3.壁材について:現行のビニルクロスの特性理解と変遷(現行壁材はなぜこのようになってきたのか)
4.壁材(ビニルクロス、和紙クロス、布クロス、珪藻土、他自然素材)