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建築のコーナー

質問のコーナー
Vol.2 − 3  2005/3/24
シックハウス症候群

 
断熱工法 内断熱と外断熱とは?
 

1.内断熱、外断熱って良く聞くけどどう違う?特長は?


「内断熱」とか「外断熱」という言葉が頻繁に出ています。違いや特長をどれだけの方が理解しているのでしょう。何しろ目に見えない熱のことですので非常に説明しにくいのですが何とかやってみます。 これまで多くの建物は断熱材が構造体の内側の部分に設置しているものが大半でした。コンクリート構造の建物ではコンクリート壁やコンクリートの天井(正確に言えば上階の床版)の内側にウレタン吹付けや、ボード状の断熱材を設置しました。 木造の建物では壁の柱間で内側に平らになるようにグラスウールマットを設置したものが多くあります。(内断熱工法)そのうち外国の寒冷地でコンクリート壁の外側や屋上階床の上側に断熱材を設置した工法が出てきました。(外断熱工法) 今までの工法と断熱材の位置が違っているので、後に内断熱工法、外断熱工法と言われるようになりました。 いちばん知りたいところの特徴は、
内断熱工法の特徴
A利点
1.構造体の内部に断熱材が着くので施工がしやすい。(工事価格が安い)
2.冷暖房の立ち上がりが早い。(短時間で希望温度に達する、熱容量が小さい)
3.使う部屋だけを空調できる。(部分的に冷暖房ができる)
B欠点
1.施工方法、断熱材の種類によっては構造体との間に水蒸気が侵入して結露がおきやすい。(カビ、ダニの発生)
2.冷暖房を切ると短時間で元の温度に戻ってしまう。(熱容量が少ない)
3.断熱材の及ぼす悪い影響が室内に反映しやすい。
(グラスウール・ロックウール微粉末の浮遊、ウレタン系の燃焼時のシアンガス、ウール系・ファイバー系のホウ酸微粉末の浮遊)
4.外部の温度変化の影響を受けやすい。
5.熱ロス(逃げてしまう熱)が大きい。(エネルギー効率が悪い)
外断熱工法の特徴
A利点
1.外部の温度変化の影響を受けにくい。
2.冷暖房を切っても元の温度に戻る時間が長い。(温度変化がゆるやか、熱容量が大きい)
3.内部結露がおきにくい。(結露によるダニ、カビの発生が少ない)
4.1単位の中で(1世帯の住宅)温度変化が少ない。(各部屋、各部分が同じ温度、ヒートショックがない)
5.熱ロス(逃げてしまう熱)が少ない。(エネルギー効率が良い)
B欠点
1.構造体の外側に断熱材が付くので施工上難しい。(工事価格が高い)
2.冷暖房を長く止めていた場合、スタートしても立ち上がりが悪い。(希望温度まで時間がかかる、熱容量が大きい)
おおよそ、以上のことがそれぞれの工法の特徴と言われています。一見して外断熱工法の方が優れていると思われます。 一抹の疑問点もありましたが、私もそう考えていました。最も実験する施設も費用もありませんから、確かめようも無かったのが本音です。 しかし、ある建材メーカーのデーターを見て疑問が解けました。それは隠されたいくつかの条件があったのです。
外断熱工法が内断熱工法に比較して優れているために必要な隠された条件
1.一つの建物が全体で冷暖房をすること。
2.冷暖房が必要な時期には、ほぼ24時間空調であること、つまりつけっ放しにすること。
3.エネルギー効率が良いというのは絶対量ではなく、投入した量に比較したロス量であること、つまりパーセンテージであること。
      まだ他にもあるかもしれませんが、わかったのはこの3つの条件です。
1.に関して
(熱容量の違い)
簡単に言うと内断熱工法は内部の空気、仕上げ材に熱量を与えて希望室温にします。(内部の空気と仕上げ材の熱容量分のエネルギーが必要) しかし外断熱工法では内部の空気、仕上げ材、構造体まで熱量を与えて希望温度にします。(内部の空気と仕上げ材+構造体の熱容量が必要) いちばん熱容量の大きいコンクリートの構造体ではこの差は大きく響きます。つまり冷暖房スタート時に必要なエネルギー量が違うということです。 構造体へ熱量を与えて希望温度にするので、使う一部屋だけを局部的に冷暖房するというのは不可能ではありませんが好ましくないというわけです。
困るケース
賃貸または分譲のコンクリート造外断熱工法共同住宅(マンション)に入居、あまり人気がないので入居者もまばら。 冷暖房しても上下左右は無人。投入した熱量はどんどんコンクリートの構造体に吸収されてさっぱり暖まらない(涼しくならない)。
2.に関して
外断熱工法は冷暖房をするために必要な熱容量が大きいことから、スタートの立ち上がりが悪く、必要な時にだけその都度スイッチを入れるということは 現実的ではありません。つまりいつもつけっ放しが原則の考え方です。   たぶん冷暖房をつけっぱなしにするという考え方は昔から日本の風土にはなかったと思います。こういうことをいうと 「年寄りくさい」と言われそうですが、「節約」と言う考え方が一般的だったと思います。私などはとても冷暖房をつけっ放しにして暮らすと言うことはできません。 よほど経済的にゆとりがある一部の方だけができることだと思います。
話は少し飛びますが、リサイクルショップで目立つもののなかに、外国製オイルヒーターがあります。「音がしなくて静か」「排気ガスが出ないので空気がきれい」 「局部的に熱くならないので火傷もなし」と良い事づくめですが、なぜリサイクルショップへたくさん並ぶのでしょう? これは私の推測です。ストーリーは多かれ少なかれこんな感じだと思います。
ある一人身のサラリーマンがオイルヒーターを購入、早速取り出してテストしてみる。確かに音もしない、排ガスも出ない、まろやかな暖かさだ。 冬到来、会社から帰宅してスイッチオン。なかなか暖まらない。就寝するころに少し暖かくなった。そのまま朝までつけっ放し。 オンの状態で出社。夕刻帰宅。ドアを開けると室内は快適な暖かさに。一ヵ月後電気料金をみて真っ青。1500W〜2000Wの 出力はヒーター型の電気ストーブとほぼ同じ消費電力量なので「快適」の代償は高くつくと言うことに気が付く。哀れオイルヒーターはリサイクルショップへと行く運命に。

つまり、このオイルヒーターは確かに快適ですが、過去の日本型の暖房器具とは使い方の条件が全く違っていること気が付かなかったというわけです。 万が一、気が付いていたにしても快適の代償を払うだけの経済力が無かったわけです。それではこのオイルヒーターを使っている外国の人たちは みんな経済力があるのでしょうか? 
この例は外断熱工法と共通した背景があるように思います。オイルヒーターも外断熱工法も外国の寒冷地で生まれたものですからその国の諸事情も知る必要性があります。 まず公共料金としての電気料です。調べてみると国内と外国の電気料金にかなりの差があることがわかりました。
電気料金の国際比較
グラフでは2通りの比較があります。ここで注目すべきは1kw/h当たりの値段と言うことです。日本では家庭用で100V、200Vですが、外国では240Vの電圧も 採用されています。同じ1KWであっても、1000W÷100V=10A、1000W÷240V=4.16Aとなります。また高負荷の場合、電圧が高いほど効率は良くなります。 確かに24時間冷暖房をつけてその高額な料金を払える方はたくさんいるのでしょうが、少なくとも一般的では無いような気がします。 外断熱は省エネにも貢献して効率的だ、という話を良く聞きますが本当にそうでしょうか? 内断熱工法に比較して省エネになるものもあるのでしょうが、こんなデータをみると 疑心暗鬼になってしまいます。それは、断熱材無し、内断熱、外断熱、両面断熱とした4つのコンクリート構造のモデルハウスを作って、1年間のデータを比較したものでした。 内部には同条件の空調機が設置してあり、夏には両面断熱、外断熱、内断熱、断熱材無しの順で使用電力が小さく省エネでしたが、冬では内断熱、両面断熱、断熱材無し、外断熱 の順で省エネでした。冬の太陽光からエネルギーを得られない分、外断熱が省エネとは逆の作用してしまうデータでした。内部が同じ温度分布で室温変動が少ない快適な外断熱工法が 必ずしも省エネであるとは言えないデータです。室温変動が少ないと言うことは、熱容量が大きいためであり0からのスタートアップには莫大な熱量を入れる必要があり、冷暖房の 考え方も変えなければなりません。日本と比較して低額の電気料金だからこそ成立している部分も大きいと思いました。重要な点は利点と欠点をよく理解した上で自分のライフスタイルに 合うか否かを判断した上で選定することだと思います。
    

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