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建築のコーナー

質問のコーナー
Vol.2 − 3  2005/3/24
シックハウス症候群  問題になっているシックハウス症候群とは?
 

2.ほとんどの人が気づかない落とし穴・・・クロゼットと防虫剤

 
 当初、「新築病」などと言われたシックハウス症候群が出現して約10年ぐらいになります。2003年7月から法規制も整備され、少しは改善の方向へ向かっているようです。
 当時は、化学物質による中毒の症状とはなかなか理解されず、また医療機関も認識があまり無かったようです。原因とされる物質は「ホルムアルデヒド」、「クロルピリホス」、「トルエン」 等の物質です。

 アレルギーの発症は、以前からバケツの中の水に例えられました。つまりその化学物質に暴露されて体内に取り込まれ、やがて許容量に達すると、バケツから水があふれるように発症するというものです。 この理論をもとに考えると、たえず化学物質の近くにいる人ほど発症の可能性が多く、時期も早いということになります。統計を取ったわけではありませんから裏付ける具体的な数を根拠に言っている訳ではない事を、 あらかじめ言っておかねばなりません。本当にそうでしょうか? もしそうであれば、家具工場、ベニヤ工場、塗料工場に於いて次々と症例がでて職業病として既に認知されているはずです。

 農薬の中毒による似た症状が ありますが、これも農業に従事している人がまず最初に発症するはずです。しかし現実は化学物質とは無縁の人や、農業に無縁の人も多いはずです。これはどういうことなのでしょう。

 「ホルムアルデヒド」は接着材に含まれるもので 簡単に言いますと「ホルマリン」のガス化したもので、固まった接着剤が、温度と湿度によって重合分解した結果発生するといわれています。つまり夏の高温多湿の時期に多く発生します。接着剤がある限り発生し続けます。

 「クロルピリホス」は殺虫剤に含まれる物質で、木造建築で土台や柱に塗る防腐防蟻剤に含まれています。

 「トルエン」はよく言う「シンナー」で塗料の希釈剤に使われます。「トルエン」は塗りたてのときは多く発生しますが、 やがて蒸発しつくし、塗料が完全に乾いてしまえば発生はしなくなります。

ベニヤ板、防蟻剤、塗料は既に何十年も建材として使われています。住宅の気密性に関しても、高気密こそ昔はありませんでしたが、一般的な在来工法でも 現在とあまり変わらない性能であったと思われます。では、なぜこの十数年ぐらいでこんな問題がおきたのでしょう。

ここからは仮説になります。何が急速に変化したのか、それを探れば結論が出てくるはずです。

 三つあります。
 ひとつ目の仮説は、洋服タンスの造り付け収納家具の出現と思われます。洋服タンスの変遷は、@まず独立家具として部屋に置き、自由に配置換えできるタイプから、A壁の部分に組み込んで造り付けと変化しました。当初の造り付けタンスは、扉あり、引き出しも付いて 独立家具としてのタンスの形状をそのまま造り付けとし固定化したものでした。次にB現在最も一般的な中折れ扉使用の収納タンスと変化しています。どこが違うのでしょう。@とAは洋服を収納する部分と引き出しの部分が機密性が高いものでした。Bになると 建具の上下部分にアルミのレールがつき、凹型のレールの中にカーテンレールの中にあるローラーがついた駒に似たものが移動することで開け閉めができるようになっています。しかし、この仕組みですと上下レール部分にそれぞれ9mm〜12mmの隙間ができてしまい 対流により下から空気が入り、上から出て行くということになってしまいます。各メーカーのカタログに写真付で洋服などを吊った写真が載っていますから、メーカーも設計者も工事業者もなんの疑いも無く洋服タンスとして使用してしまいます。ところで、洋服タンスには 必ずといっていいほど、防虫剤を入れます。現在は、ハーブなどを主成分とした人間には無害のタイプがありますが、そうゆうタイプばかりではないと思います。「パラジクロロベンゼン」を含む有害のものもたくさんあると思います。昔のタイプの@やAの洋服タンスであれば 密閉性が良いので、大丈夫ですが現在最も一般的なBのタイプの洋服収納ですと扉を閉めてあっても、絶えず対流によって昇華した殺虫ガスが外へ流出してしまいます。さらに悪いことは、洋服収納は大抵の場合寝室の中の一部に位置していることが多いと思います。 就寝中ずっとあなたはこの殺虫ガスのなかで眠ることを毎日繰り返しているのです。更に悪いことには、昔の「○ラゾール」などは匂いも強かったので、タンスを開けたりすると匂いが充満して、換気をしないではいられなかったのですが、現在では無臭タイプが多く 殺虫ガスの中にいることすら気がつかない場合も多いのではないでしょうか。これが原因とは断定できませんが、疑う余地は充分にあると思います。

これに対して無害の防虫剤を使用するか、服の虫食いを防ぐことをあきらめて、防虫剤を使用しないか、現在の密閉性のない洋服収納の中に密閉性のよいジッパー付の袋の中に洋服と防虫剤を入れるか、寝室の収納には服を入れないで、納戸や他の部屋に収納する等の対策を講じる必要があると思います。 二つ目の仮説は次の機会に述べたいと思います。   

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